「採用は運」から「採用は仕組み」へ ~中途採用が年間5名から20名に4倍成長した、ある消費財メーカーの変革ストーリー~

取組み事例

はじめに:「また今年も目標未達だった」という現実

「求人を出しているのに、なかなか人が集まらない」 「採用できても、すぐに辞めてしまう」 「採用担当者が疲弊していて、戦略的な動きができない」

こうした悩みを抱える中小・中堅企業の人事担当者や経営者は、決して少なくありません。採用活動は「やってみなければわからない」「縁とタイミング次第」——そんなふうに半ば諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、まさにそうした状況を打破した、ある大手消費財メーカー(非上場・売上数百億円・従業員300〜500名)の事例です。2024年からオクトーリアの支援を開始し、中途採用数を年間5名から年間20名へ、わずか1年で4倍に成長させることができました。

この記事では、支援前の課題・具体的な支援内容・得られた成果を詳しく解説します。「採用を仕組みに変えたい」と考えている方にとって、きっとヒントになるかと思います。


支援前の状況:採用が「属人的な作業」になっていた

慢性的な採用不振と欠員補充の繰り返し

支援開始前、この企業の中途採用数は年間わずか5名。採用目標に対して大幅な未達が続き、欠員が出るたびに慌てて求人を出す——いわゆる「欠員補充型」の採用から抜け出せない状態でした。

採用が計画的に進まないため、現場は常に人手不足。既存社員への負担が増し、それがまた離職を招くという悪循環に陥っていました。

採用担当者への過度な依存

採用業務のほぼすべてが、特定の担当者のマンパワーに依存していました。求人票の作成から面接の調整、エージェントとのやり取りまで、担当者が一人で抱え込む状態。採用ノウハウは個人の頭の中にしか存在せず、組織の資産として蓄積されていませんでした。

担当者が異動・退職した瞬間に採用力がゼロになるリスクを抱えながら、それでも日々の業務に追われて改善に手が回らない——多くの中小・中堅企業が直面する、典型的な課題です。

母集団形成と選考プロセスの問題

応募者の90%以上がエージェント経由という状況で、自社での採用力はほぼゼロ。ダイレクトスカウトやリファラルといった手法は検討もしておりませんでした。

さらに、面接の評価基準が面接官によってバラバラで、「なんとなく感じがいい人」を採用してしまうケースも。その結果、入社後1年以内の退職が複数名発生するなど、早期離職によるコストと工数の損失が続いていました。


オクトーリアの支援:「採用できる仕組み」を組織に構築する

オクトーリアが目指したのは、「今すぐ採用数を増やすこと」ではなく、「組織が自走できる採用の仕組みを構築すること」です。採用プロセス全体を一気通貫で支援し、以下の4つのステップで変革を進めました。

STEP 1:データで「採用が進まない本当の理由」を明らかにする

まず着手したのは、過去の採用データの徹底分析と、人事・経営層・現場マネージャーへのヒアリングです。

分析の結果、いくつかの重要な事実が浮かび上がりました。

  • 応募から面接までの期間が平均2週間:候補者の熱量が下がり、他社に流れていた
  • 1次面接通過率が20%以下:採用基準が実態と乖離し、過度に厳しくなっていた
  • エージェント経由の応募が90%以上:チャネルが偏り、リスクが集中していた

「なんとなく採用がうまくいっていない」という感覚を、数値と事実で明確化することが、改善の第一歩です。課題が可視化されれば、打ち手も自ずと見えてきます。

STEP 2:採用の「インフラ」を整備する

課題が明確になったところで、採用体制そのものの再構築に着手しました。

採用管理システム(ATS)の導入により、候補者情報を一元管理。選考フローの可視化と進捗のリアルタイム把握が可能になり、担当者の工数を月20時間削減することに成功しました。

採用フローの再設計では、「応募から1次面接まで1週間以内」というスピード感を重視した設計を採用。各ステップの目的・評価基準・所要時間を明確化し、誰が担当しても同じ品質で選考が進む仕組みを整えました。

そして最も重要だったのが、採用基準(ペルソナ)の策定です。「欲しい人材」を具体的に言語化し、スキル・経験・価値観・カルチャーフィットの基準を設定。面接官全員が共通認識を持てる評価シートを作成することで、評価のバラつきを解消しました。

STEP 3:採用チャネルを多様化し、母集団を拡大する

エージェント依存から脱却するため、採用チャネルの多様化を推進しました。

エージェント対応の最適化では、連携エージェントを5社から15社に拡大。定期的な情報共有と関係性構築を通じて、推薦品質を数値で管理する仕組みを導入しました。

ダイレクトリクルーティングの導入では、スカウト媒体の選定から文面作成・改善まで一貫して支援。月間100通以上のスカウト送信と10%程度のスカウト返信率を安定的に維持しました。

また、カジュアル面談を選考フローに組み込み、選考前の候補者との接点を創出。企業理解を深めることでミスマッチを防ぎ、内定承諾率の向上にも貢献しました。

STEP 4:面接官を育て、選考の質を高める

採用の成否は、面接官のスキルにも大きく左右されます。オクトーリアは面接官トレーニングを実施し、面接への同席によるリアルタイムサポートと、面接後のフィードバック・改善提案を継続的に行いました。

「採用基準を決めても、面接官が使いこなせなければ意味がない」——この視点を持ち、現場レベルでの定着まで支援したことが、成果につながった大きな要因のひとつです。


支援後の成果:数字が証明する「採用の変革」

採用数の劇的な改善

最も顕著な成果は、中途採用数が年間5名から年間20名へ、4倍に成長したことです。月1〜2名のコンスタントな採用が実現し、欠員補充ではなく計画的な採用が可能になりました。

選考スピードの大幅向上

  • 応募から1次面接まで:平均14日 → 5日に短縮
  • 1次面接から内定まで:平均21日 → 10日に短縮

候補者の熱量が高いうちに選考を完結させることで、他社への流出を防ぎ、内定承諾率の向上にもつながりました。

ミスマッチの激減と定着率の向上

採用基準の明確化とカジュアル面談の導入により、入社後3ヶ月以内の退職はなくなり、早期離職によるコストと工数の損失が大きく減少しました。

採用チャネルの分散によるリスク軽減

エージェント経由100%だった採用チャネルが、エージェント60%・ダイレクトスカウト30%・リファラルその他10%へと分散。特定チャネルへの依存リスクが解消されました。

組織への波及効果

採用ノウハウが組織に蓄積され、面接官のスキルが向上。「採用できる組織」としての自信が醸成されたことは、数字には表れない大きな成果です。


まとめ:採用は「運」ではなく「仕組み」で変えられる

この事例から学べる最大の教訓は、採用は適切な仕組みと体制があれば、再現可能なプロセスになるということです。

「求人を出しても人が来ない」「採用しても定着しない」——そうした課題の多くは、採用の仕組みそのものに問題があります。データで現状を把握し、採用フローを整備し、チャネルを多様化し、面接官を育てる。この一連のプロセスを丁寧に積み上げることで、採用力は確実に組織の資産になっていきます。

採用を「運任せ」から「仕組み」へ変えることは、決して大企業だけの話ではありません。中小・中堅企業こそ、採用力の強化が経営の根幹を支えます。


「自社の採用課題がどこにあるのか整理したい」「採用数を増やしたいが、何から手をつければいいかわからない」——そんな方は、ぜひオクトーリアにご相談ください。

現状分析から採用戦略の策定、実行支援まで、貴社の状況に合わせた一気通貫のサポートをご提供します。

初回のお打ち合わせは無料となりますので、お気軽にお問合せください。
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