「なぜうちで働くのか」に答えられますか?EVP言語化で実現する採用ブランディング
- EVP言語化:5つの価値観(What・Growth・People・Reward・Purpose)
- 「何のために働くか」を言葉にすることが、採用を変える
- 「仕事の価値」とは何か?
- なぜ「仕事の価値」の言語化が難しいのか
- 仕事の価値を言語化する3つの問い
- まとめ
- 「この会社でどう成長できるか」が、優秀人材の応募を左右する
- 「成長の価値」に含まれる要素
- 中小企業の「成長の価値」は大企業より大きい場合がある
- 成長の価値を言語化する3つの問い
- まとめ
- 「誰と働くか」が、入社の決め手になる時代
- 「関係の価値」に含まれる要素
- なぜ「関係の価値」が定着率を左右するのか
- 関係の価値を言語化する3つの問い
- まとめ
- 「給与だけじゃない」報酬の全体像を伝えることが採用を強くする
- 「報酬・環境の価値」に含まれる要素
- 「給与以外の報酬」を言語化する重要性
- 報酬・環境の価値を言語化する3つの問い
- まとめ
- 「なぜこの会社で働くのか」——Purposeが人を動かす時代
- 「社会的価値」に含まれる要素
- なぜPurposeが採用・定着に効くのか
- 社会的価値を言語化する3つの問い
- まとめ
EVP言語化:5つの価値観(What・Growth・People・Reward・Purpose)
EVPの言語化①|仕事の価値(What)
「何のために働くか」を言葉にすることが、採用を変える
はじめに
「うちの仕事、どう説明すればいいんだろう…」
採用担当者や経営者から、こんな声をよく耳にします。自社の事業内容や業務内容は説明できても、「その仕事がなぜ価値あるのか」「どんな面白さがあるのか」を言葉にするのは、意外と難しいものです。
EVP(Employee Value Proposition=従業員価値提案)の中でも、「仕事の価値(What)」は最も基本的かつ重要な要素です。求職者が「この会社で何をするのか」「その仕事はどんな意味を持つのか」を理解できなければ、応募意欲は生まれません。仕事の価値を言語化することは、採用メッセージの土台をつくることに他なりません。
「仕事の価値」とは何か?
仕事の価値(What)とは、「この会社で働くことで、どんな仕事・役割・経験ができるか」を指します。具体的には以下の要素が含まれます。
- 仕事の面白さ・やりがい:日々の業務の中でどんな達成感・充実感があるか
- 仕事の難易度・チャレンジ性:難しい課題に向き合う機会があるか、スキルを活かせるか
- 裁量・自律性:自分の判断で動ける範囲はどのくらいか
- 仕事の多様性:単調ではなく、さまざまな経験・案件に関われるか
- 成果の見えやすさ:自分の仕事が会社や顧客にどう貢献しているかが実感できるか
これらを言語化することで、求職者は「自分がその会社でどう働くか」をリアルにイメージできるようになります。
なぜ「仕事の価値」の言語化が難しいのか
多くの企業が仕事の価値を言語化できていない理由は、「当たり前すぎて気づいていない」からです。
毎日その仕事をしている社員にとっては、自社の仕事の面白さや独自性は「当たり前」になっています。しかし求職者の目線では、それは全く当たり前ではありません。「意思決定が速く、提案が翌日には形になる」「顧客と直接向き合い、感謝の声をダイレクトに受け取れる」「一人が複数の領域を担当するため、幅広いスキルが身につく」など、こうした日常の中にある価値が、求職者にとっては大きな魅力になり得ます。
また、「仕事内容の説明」と「仕事の価値の言語化」は別物です。「営業として新規顧客の開拓を行います」は仕事内容の説明ですが、「自分の提案が直接売上に反映され、成果が数字で見える仕事です」は仕事の価値の言語化です。求職者の心を動かすのは、後者となります。
仕事の価値を言語化する3つの問い
仕事の価値を言語化するために、現場の社員や経営者に以下の問いを投げかけてみてください。
問い1:「この仕事で、一番面白いと感じる瞬間はいつですか?」
具体的なエピソードから、仕事のやりがいの本質が見えてきます。
問い2:「この仕事は、他の会社の同じ職種と何が違いますか?」
自社ならではの仕事の特徴・独自性を引き出す問いです。
問い3:「この仕事を通じて、どんな力がつきましたか?」
仕事の価値は「今」だけでなく、「将来への投資」としての側面も持ちます。
これらの問いへの答えを集め、求職者目線で整理・言語化することで、求人票や採用サイトに載せるべき「仕事の価値」のメッセージが見えてきます。
まとめ
仕事の価値(What)の言語化は、EVP構築の第一歩です。「何をする仕事か」だけでなく、「その仕事がなぜ面白く、どんな価値があるのか」を言葉にすることで、求職者の共感と応募意欲を引き出すことができます。社員の「当たり前」の中に、採用を変える言葉が眠っています。まずは現場の声を丁寧に拾い上げることから始めてみましょう。
EVPの言語化②|成長の価値(Growth)
「この会社でどう成長できるか」が、優秀人材の応募を左右する
はじめに
「給与は同じくらいなのに、なぜか大手に流れてしまう」「せっかく採用できた優秀な人材が、1〜2年で辞めてしまう」——こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。
その背景にある求職者の本音のひとつが、「この会社で自分は成長できるのか?」という問いです。特に20〜30代の若手・中堅層にとって、成長機会の有無は会社選びの最重要基準のひとつになっています。EVPにおける「成長の価値(Growth)」を言語化することは、優秀な人材を惹きつけ、定着させるための核心的な取り組みです。
「成長の価値」に含まれる要素
成長の価値(Growth)とは、「この会社で働くことで、どのようにスキル・キャリア・人間性が伸びるか」を指します。具体的には以下の要素が含まれます。
- スキルアップの機会:業務を通じて専門スキルや汎用スキルが身につく環境があるか
- キャリアパスの明確さ:将来どんなポジション・役割に進めるか見通せるか
- 挑戦できる環境:新しいことに挑戦し、失敗から学べる文化があるか
- 研修・学習支援:会社として社員の学びをサポートする制度・文化があるか
- 早期の責任・裁量:大企業では経験できないような大きな仕事を早い段階で任せてもらえるか
中小企業の「成長の価値」は大企業より大きい場合がある
「大企業の方が研修制度が充実していて、成長できる」と思われがちですが、実はそうとは限りません。中小企業には、大企業にはない独自の成長機会があります。
早期から大きな仕事を任される:
大企業では数年かかるような責任ある仕事を、中小企業では入社1〜2年目から担当できるケースが多くあります。「失敗しながら学ぶ」という実践的な成長が、圧倒的なスピードで起きます。
経営者・幹部と近い距離で働ける:
経営の意思決定プロセスを間近で見られる環境は、将来マネジメントを目指す人材にとって非常に価値ある学びの場です。
複数の領域を横断して経験できる:
専門分化が進む大企業と異なり、中小企業では営業・マーケティング・オペレーションなど複数の領域を一人が担うことも多く、幅広いスキルが身につきます。
これらの強みを言語化せずに放置しているのは、非常にもったいないことです。
成長の価値を言語化する3つの問い
問い1:「入社後1〜3年で、どんなスキル・経験が身につきますか?」
具体的なスキルや経験値を言語化することで、求職者は入社後のイメージを持てます。
問い2:「この会社で活躍している人は、どんな成長をしてきましたか?」
実際の社員のキャリアストーリーは、最も説得力のある成長の証拠です。
問い3:「会社として、社員の成長のために何をしていますか?」
研修制度・書籍購入補助・資格取得支援など、具体的な支援策を棚卸しします。
まとめ
成長の価値(Growth)の言語化は、「この会社で自分は伸びられるか」という求職者の不安を解消し、応募・入社・定着を促す力を持ちます。中小企業は規模の小ささをハンデと捉えがちですが、「早期から大きな仕事を任される」「経営者と近い距離で学べる」といった成長機会は、大企業にはない強みです。その価値を言葉にして、採用メッセージに組み込みましょう。
EVPの言語化③|関係の価値(People)
「誰と働くか」が、入社の決め手になる時代
はじめに
採用面接の終盤、候補者からこんな質問が来ることがあります。「一緒に働く方はどんな方ですか?」「チームの雰囲気を教えてください」——これは単なる雑談ではありません。求職者にとって、「誰と働くか」は会社選びの重大な判断基準のひとつです。
EVPにおける「関係の価値(People)」とは、職場の人間関係・チームの雰囲気・上司や同僚との関わり方など、「人」にまつわる働く価値を指します。給与や仕事内容と並んで、求職者の入社意欲と定着率に大きく影響する要素です。
「関係の価値」に含まれる要素
- チームの雰囲気・カルチャー:職場の空気感、コミュニケーションのスタイル
- 上司・マネジメントの質:上司はどんな人か、どんなマネジメントスタイルか
- 同僚・チームメンバーの人柄・レベル:一緒に働く仲間はどんな人たちか
- 心理的安全性:意見を言いやすい環境か、失敗を責めない文化があるか
- 多様性・インクルージョン:さまざまなバックグラウンドの人が活躍できるか
- 社内コミュニティ・つながり:部署を超えた交流や、社員同士の絆があるか
なぜ「関係の価値」が定着率を左右するのか
厚生労働省の調査でも、早期離職の主な理由として「人間関係の問題」が上位に挙がり続けています。逆に言えば、「職場の人間関係が良い」「信頼できる仲間がいる」という実感は、社員が会社に留まる最大の理由のひとつでもあります。
採用の場面でも同様です。最終的に複数社で迷ったとき、「あの会社の面接官が素敵だった」「社員の雰囲気が自分に合いそうだった」という感覚が、入社の決め手になることは珍しくありません。
中小企業は、この「関係の価値」において大企業より有利な場合があります。社員数が少ない分、一人ひとりの顔が見え、経営者との距離も近い。「大きな組織の歯車になりたくない」「顔の見える環境で働きたい」という求職者には、中小企業の人間関係の近さは大きな魅力です。
関係の価値を言語化する3つの問い
問い1:「この会社で働いていて、人間関係で良かったと感じる瞬間はいつですか?」
具体的なエピソードから、職場の雰囲気・文化の本質が見えてきます。
問い2:「この会社で活躍している人に共通する特徴・価値観は何ですか?」
カルチャーフィットの基準を言語化することで、採用ミスマッチを防ぐ効果もあります。
問い3:「新入社員が職場に馴染むために、会社・チームはどんなサポートをしていますか?」
オンボーディングの充実度は、「関係の価値」の具体的な証拠になります。
まとめ
関係の価値(People)の言語化は、求職者の「この会社で働きたい」という感情的な動機を引き出す力を持ちます。「誰と働くか」は、仕事内容や給与と同じくらい——場合によってはそれ以上に——入社・定着の決め手になります。職場の雰囲気・チームの人柄・上司との関係性を具体的な言葉とエピソードで伝えることが、採用ブランディングの大きな武器になります。
EVPの言語化④|報酬・環境の価値(Reward)
「給与だけじゃない」報酬の全体像を伝えることが採用を強くする
はじめに
「給与で大手には勝てない…」と感じている中小企業の経営者・人事担当者は多いでしょう。確かに、純粋な給与水準では大企業に及ばないケースもあります。しかし、報酬とは給与だけではありません。
EVPにおける「報酬・環境の価値(Reward)」は、給与・賞与といった金銭的報酬だけでなく、働く環境・制度・福利厚生・ワークライフバランスなど、「この会社で働くことで得られる有形・無形のすべての恩恵」を指します。この全体像を言語化することで、給与だけで比較されない採用メッセージをつくることができます。
「報酬・環境の価値」に含まれる要素
- 金銭的報酬:給与・賞与・インセンティブ・昇給の仕組み
- 非金銭的報酬:有給取得率・残業時間・フレックス・リモートワーク制度
- 福利厚生:各種手当・健康支援・育児支援・社員割引など
- 働く環境:オフィスの快適さ・設備・ツール・立地
- ワークライフバランス:プライベートと仕事の両立のしやすさ
- 公平性・透明性:評価制度の明確さ、昇給・昇格の基準が見えるか
「給与以外の報酬」を言語化する重要性
求職者、特に転職者は給与だけで会社を選んでいるわけではありません。「残業が少なく、プライベートの時間を確保できる」「評価基準が明確で、頑張りが正当に報われる」「リモートワークが使えて、通勤ストレスがない」——こうした要素は、給与差を補って余りある魅力になり得ます。
また、「言わなくてもわかるだろう」は禁物です。自社では当たり前の制度や環境も、求職者には伝わっていません。「完全週休2日・残業月平均10時間以下・有給取得率80%以上」といった具体的な数字は、求人票に明記するだけで大きな差別化になります。
さらに、評価・昇給の透明性は近年特に重視されています。「頑張っても評価されるかわからない」という不安は、優秀な人材の応募を遠ざける大きな要因です。評価基準・昇給の仕組みを言語化し、オープンに伝えることが、信頼感の醸成につながります。
報酬・環境の価値を言語化する3つの問い
問い1:「給与以外で、この会社で働いて良かったと感じる制度・環境は何ですか?」
社員が実感している非金銭的な価値を掘り起こします。
問い2:「評価・昇給の基準は、社員に明確に伝わっていますか?」
透明性の現状を確認し、言語化・整備のきっかけにします。
問い3:「ワークライフバランスについて、具体的な数字(残業時間・有給取得率など)で示せますか?」
具体的なデータは、求職者の信頼を得る最も強力な武器です。
まとめ
報酬・環境の価値(Reward)の言語化は、「給与で大手に負ける」という思い込みを覆す力を持ちます。給与・賞与だけでなく、働きやすさ・評価の透明性・福利厚生・ワークライフバランスを含めた「報酬の全体像」を言葉にすることで、求職者に自社の魅力を正しく伝えることができます。「当たり前」を言語化することが、採用競争力を高める第一歩です。
EVPの言語化⑤|社会的価値(Purpose)
「なぜこの会社で働くのか」——Purposeが人を動かす時代
はじめに
「給与も仕事内容も悪くないのに、なんとなく転職を考えている」——こうした社員が増えているという声を、経営者・人事担当者からよく聞きます。その背景にあるのが、「自分の仕事が社会にどんな意味をもたらしているのか」という問いです。
特にミレニアル世代・Z世代を中心に、「仕事を通じて社会に貢献したい」「自分の働きが世の中をよくすることに繋がっていると感じたい」というニーズが急速に高まっています。EVPにおける「社会的価値(Purpose)」の言語化は、こうした求職者・社員の深い動機に応える、採用ブランディングの最も根本的な要素です。
「社会的価値」に含まれる要素
- 企業理念・ミッション:会社が何のために存在するか
- 社会への貢献:事業を通じてどんな社会課題を解決しているか
- 顧客・地域・業界への影響:自社の仕事がどんな人・社会に価値をもたらしているか
- サステナビリティ・ESG:環境・社会・ガバナンスへの取り組み
- 会社のビジョン:将来どんな会社・社会を目指しているか
- 社員一人ひとりの仕事の意味:個人の業務が大きな目的にどう繋がっているか
なぜPurposeが採用・定着に効くのか
ハーバード・ビジネス・レビューをはじめとする多くの研究が、「仕事に意味・目的を感じている社員は、エンゲージメントが高く、離職率が低い」ことを示しています。採用においても、Purposeへの共感は強力な動機づけになります。
「この会社の仕事は、社会のこんな課題を解決している」「自分の仕事が、こんな人の役に立っている」というストーリーは、給与や福利厚生では代替できない、深い共感と帰属意識を生み出します。
中小企業の場合、大企業と比べてPurposeが見えにくいと思われがちですが、実はそうではありません。地域に根ざした事業、特定の顧客層への深い貢献、業界の課題解決——中小企業だからこそ持てる、具体的で身近なPurposeがあります。それを言語化できているかどうかが、採用力の差になります。
社会的価値を言語化する3つの問い
問い1:「自社の事業は、誰のどんな課題を解決していますか?その結果、どんな変化が生まれていますか?」
事業の社会的意義を、具体的なストーリーで言語化します。
問い2:「会社のビジョン・理念は、社員の日常業務とどう繋がっていますか?」
理念が「壁に貼ってあるだけ」になっていないか確認し、現場との接続を言語化します。
問い3:「この会社で働くことで、社員は社会にどんな貢献ができると感じていますか?」
社員自身の言葉でPurposeを語ってもらうことが、最も説得力のあるメッセージになります。
まとめ
社会的価値(Purpose)の言語化は、求職者の「なぜこの会社で働くのか」という根本的な問いに答える力を持ちます。給与・成長・人間関係・環境といった要素が揃っていても、Purposeへの共感がなければ、長期的なエンゲージメントは生まれません。自社の事業が社会にもたらす価値を言葉にし、採用メッセージの核に据えることで、「この会社でなければならない」という強い動機を持った人材を惹きつけることができます。
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